便秘の話
     
 
 便秘、とってもよくある症状なのですが、なかなかこれが奥が深い話です。

 以前私が勤務していた総合病院(当時は消化器外科をやっていました)で、私の外来に強烈な便秘で通ってこられていた若い女性の患者さんがいらっしゃいました。この患者さんの便秘はとてもやっかいであったらしく、代々、先輩の先生の外来から後輩の外来に丸投げ?されてこられたようでした。その患者さんの内服処方をみると、現在使用できる、ありとあらゆる便秘の薬を総動員されていて、それでも、ときたま、便が腸に詰まってしまい、頻回に腸閉塞状態となり入退院を繰り返していらっしゃいました。
 当時は、私も駆け出しだったので、何とかしてあげたいと思っていましたが、これといって妙案もなく、外来で経過を見ておりました。ある時、患者さんが生理と便通のことをお話しされ、生理の周期によって便通に差がでてくることがわかりました。女性の先生であれば、すぐに気がついたかもしれません。それ以来、ホルモン療法を併用して、何とかその患者さんは腸閉塞の発作がなくなるようになりました。

 一概に便秘といっても大きく分けると2種類のタイプに分かれます。便が乾燥してしまい、硬便となり直腸で便の蓋をしてしまうようなタイプ、もう一つは、お年寄りの方に多いのですが、腸の蠕動運動が落ちてきて、便は軟らかいのですが、なかなか排便できないタイプです。女性の場合の便秘は、若干複雑で、この混合タイプも存在します。
 いずれのタイプでも、それぞれその病態にあった便秘の薬がありますので、一概に便秘になったからといって、市販の便秘薬を安易に服用されることはお勧めできません。実際、違ったタイプの便秘に合わない便秘薬を使用して、腸破裂を起こされた患者さんの経験が私にはありますから、少なくとも、必ずその薬が現在の体の状態にあったものかどうか、主治医の先生にお聞きになってから、服用して下さいね。

平成15年5月

 


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