セカンドオピニオンのすすめ
     
 昨日、ある病院の乳癌治療にまつわる疑惑が報道されていました。私の外科勤務医時代には乳癌の治療も行っていたため、どのように報道されているか、とても気になるものでした。報道を見る限り、乳癌の診断が十分行われていたとは言い難いものでしたがその他にも「いろいろ検査をされ、十分手術について考えるまもなく手術されてしまった」、という患者さんの訴えもありました。さらに”乳癌はすぐに進展する病気ではないので、1ヶ月ぐらいゆっくりと時間をおいて診断してから”という専門家のコメントなども飛び出しました。

 私のトレーニングを受けた病院では、乳癌は確かに急に進行するような病気ではありませんが、診断がつき次第、患者さんの不安をとりためにも、できるだけ速やかに治療に移るように、との先輩の教えでしたので、いろいろ考え方もあるものだと不思議な気持ちになりました。検査も、たとえば胃カメラは、術前の潰瘍スクリーニングに行われていたものと考えられ、けっして検査のしすぎではないと考えられます。術後に患者さんがストレス性の出血性胃潰瘍を併発しないようにと、その病院の先生は考えていたかもしれません。

 乳癌は、比較的ゆっくり進行するものですが、肝転移、肺転移の多い腫瘍ですから、手術前に転移の有無をみておくことは、その患者さんにとって有意義な手術療法となることをめざすためにも有用なことであると考えられます。各種癌の治療方針は、現在各学会が標準治療の概略をまとめ始めていますが、診断から手術するまでどのくらい時間をおくか等の細かい規定は特にありません。各担当の先生方と患者さんの話し合いにより決定されているのが、現状だと思います。

 何よりも大事なことは、患者さんがご自分で納得されて種々の治療をお受けになられることだと思いますから、必要があればセカンドオピニオンを担当以外の医師に聞いてみるのもいいかもしれません。

平成15年6月

 


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