病院に急いで行くときと、ゆっくり行くとき
     
 最近個人の医療負担も3割になり、なかなか病院にも気軽に行けなくなってきましたが、病院に行くタイミン グはなかなか奥が深くて難しいことなのです。

 私の研修医のころは、この急いで対処すべき病態なのか、じっくり攻めていくべき病態なのかの区別ができる ようになることは、なかなか難しいことでしたので、実際患者さんの立場で考えてみると、このことは、もっと わかりにくいことだと思います。ここで、この区別が、いかに重要なことか、簡単に説明しておく必要があると 思います。慢性の病気の場合は、まず死に直結するような事態になることは非常に稀なのに対して、急性期のも のは、対処のタイミングが遅れると、その病態をリカバリーするのに、とても時間と労力とお金がかかる状態と なり、まだ間に合う状態であればよいのですが、間に合わなければ、症状が出てから1週間以内に死を迎えるこ ともままあることです。

 さて、ここまで書くと、じゃあ、どうやって区別をすればいいの?ということになります。みなさん、インフ ルエンザに罹ったときのことを思い出して下さい。いままで何ともなかった体が、急に寒気を催し、筋肉や腰が 痛くなり、身の置き所がなくなって、息が荒くなり、熱が38度を超えてくる様なとき・・・。これは、感染症 の急性期にみられる症状です。たとえば、女性がよく罹る膀胱炎では、膀胱炎特有の症状がでてから病院にいく ので十分なのですが、これを放置すると前に書いた様な急性感染症様症状がでてきて、特に両側の腰が痛くなり、 40度近い熱が突然出てくることがあります。このときは、救急車を呼んでも良いですから、すぐに病院にいく 必要があります。急性腎盂腎炎を起こしている可能性が高いからです。最後に、もう一つお願いがあります。 むやみに解熱剤を使わないようにして下さい。この話の続きは次回にでもお書きします。

平成15年8月

 


ページを閉じる