|
自分で手術していた時には術後の不定愁訴について患者さんが訴えれば外科に
受診するものと思っていたものが、意外にも内科を受診される方が多いことに
驚かされました。また、体調不良を"大きい手術をした後なので仕方がない"と
諦めてしまう方も多いようです。確かに外科に術後の不定愁訴でかかる患者さんは
それだけ症状も切迫したものがありますが、術後患者さんが訴える細かい愁訴には
十分対応できていなかったと、今振り返ってみると思います。そこで今回は胃癌の
手術を受けられた方へ若干のアドバイスをします。
手術後は、残る胃の大きさにより3つの状態に分けることができます。@胃の
1/3が残る場合、A胃が全く無くなってしまう場合、B小腸により胃袋を再建した
場合です。病状により種々、手術法が選択されますが、Bは比較的稀な難度の高い
術式で、術後1年ぐらいは不定愁訴が多く出現しますが、食べた物を貯める所を
再建するため、徐々に体調がよくなります。@の場合も残っている胃袋は大きく
なりませんが、比較的体力の温存が可能なので、半年から1年で体調は戻って
きます。一番問題なのがAで、体調が戻るまでに時間がかかります。一番の悩みは
やはり"食べられない"ことでしょう。この為、なかなか体重が増えてきません。
栄養障害により免疫機能も落ち、ますます体調が悪くなります。
一つの解決方法としては、経腸栄養のルートを手術時に作成してもらい、術後1年ぐらい体調が
戻るまでの間、そのルートを併用して栄養補給を行う方法がありますが、術後の
合併症の可能性が増えてしまため、必ず入れてもらえるものでもありません。
病院勤務医時代には、一番効果的なものは経腸栄養ルートを使った栄養補給でした。
現時点でも特効薬的なものはまだ見当たりませんが、漢方を使って術後の体調不良を
少しづつ改善する方法は少し手応えがあるようです。
平成16年4月
|