動脈硬化について
     
 
 「動脈硬化」と言う言葉は新聞やテレビ、日常会話に出てくるくらい一般的になりました。近年、運動不足や肥満、脂っこい食事などにより動脈硬化による病気が増加しています。三大死亡原因のうち脳卒中、心筋梗塞はいずれも動脈硬化が原因でおこる疾患です。では、現代人の健康を脅かすこの「動脈硬化」に対して、どのように対処すれば良いのでしょうか?
 まず、動脈硬化とは血管 (動脈) の壁にコレステロールや様々な細胞等が蓄積・増殖していく状態のことで、進行すると次第に血管の内腔が狭くなり、血液の流れが悪くなります。例えば心臓の血管が細くなると「狭心症」と言って、運動時などに血液が不足して胸が痛くなります。動脈硬化が進行した状態で、血管の壁に傷がつくと、そこに血液の塊ができて血管が完全に閉塞してしまいます。この結果、心筋梗塞や脳梗塞が起こります。
 動脈硬化は高血圧、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病や、喫煙、ストレスなどが原因となります。これらを「動脈硬化の危険因子」と言いますが、いくつかの危険因子が重なるとさらに動脈硬化が進行しやすくなります。近年、内臓肥満を背景として、脂肪や糖、血圧の調節に関連する様々なホルモンの調節が乱れて、高脂血症、糖尿病、高血圧を合併する状態が動脈硬化の危険性との関連で注目されています。この場合、個々の病気に対する治療だけでなく、食事や運動と言った生活習慣の改善を通して予防治療を行う必要があります。
 動脈硬化の検査法としては、「脈波伝播速度」を調べる方法があります。これは両手足に血圧測定で使うような器具を取り付けて、動脈の硬さを脈の伝わる速さとして評価する方法です。また「頸動脈エコー検査」と言う方法もあり、これは首の血管を超音波で観察して、視覚的にも動脈硬化の進行度を調べることができます。どちらも外来で簡便にできる検査です。
 動脈硬化はゆっくりと症状もなく進行していき、あるとき突然心筋梗塞や脳卒中という重大な病気を引き起こします。早い段階から動脈硬化の危険性を認識し、それに対処することが重要です。定期的に「血管の健康診断」を行うことをお勧めします。

平成16年7月

 


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