不整脈その4:心室頻拍、心室細動
     
 

 今回は直接生命に危険を及ぼす不整脈である心室頻拍、心室細動について取り上げます。 これらはいわゆる「突然死」の原因として重要であり、年齢に関わりなく起こる可能性があります。 心筋梗塞などの他の疾患に引き続いて起こることもありますが、特発性心室頻拍といって他に原因が なく生じるものもあります。発作を起こしていないときの心電図で特徴的な所見を認める場合があり、 健康診断などで指摘されることもあります。この場合24時間心電図検査などを行って不整脈が生じていないか調べます。

 心室頻拍については、30秒以上続くものを持続性心室頻拍、30秒以下の場合を非持続性心室頻拍と呼びます。 発作時間が短い場合にはまったく症状がないこともありますが、持続する場合は血圧低下や意識消失、 心不全を合併することもあり、心室細動に移行する場合もあります。心室細動の場合、心臓は血液を送り出すポンプとしての 機能を失い、心停止状態となります。この場合、速やかに心臓マッサージ、人工呼吸などの救命処置を行う必要があります。

 心室頻拍を起こしたときの治療は、血行動態が保たれていれば薬物で治療することもありますが、状態が悪化している場合、 あるいは心室細動の場合は電気的除細動を行います。また、心室頻拍や心室細動の既往のある方に対する予防治療としては、 薬物治療やカテーテル治療が有効な場合もありますが、治療が難しい場合は植え込み型除細動器を用いて不整脈による突然死を予防します。

 これらの不整脈はそれまで健康であった方に何の前兆もなく、突然起こる場合があります。一般の方でも使用できるように作られた 「自動体外式除細動器」という器具があり、大勢の人が集まる公共機関などで配置されつつありますが、まだ十分ではなく、 今後の更なる普及が待たれます。不整脈に限ったことではありませんが、突然の心肺停止に対しては一刻も早く救命処置を行うことが 重要で、救急隊が現場に到着するまでは一般の方々による一次救命処置が有効かつ重要です。


平成16年11月11日

 


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