不整脈その5:房室ブロック
     
 
 これまでは脈が速くなるタイプの不整脈について取り上げてきましたが、今回から脈が遅くなる不整脈(徐脈)についてご説明します。心臓の電気刺激は心房という所で規則正しく発生して、心室へと伝わっていきます。この心房と心室の間での刺激の伝道に障害が生じた状態を「房室ブロック」と言います。房室ブロックは心筋梗塞や心筋炎などの病気が原因となることもありますが、特に原因疾患がなく起こる場合もあります。
 房室ブロックはその重症度に応じて第1度から第3度に分類されます。第1度は心電図所見で電気刺激の伝わり方が遅い状態を指し、脈の速さやリズムは正常です。自覚症状はなく、健康診断などで指摘される場合が多いです。他に合併している心疾患がなければ特に治療の必要はありません。
 第2度は刺激の伝道がときどき途絶えて、脈拍が欠落する状態で、やはり症状がない場合が多いですが、動悸症状として自覚されることもあります。第2度房室ブロックは脈が欠落するパターンにより2種類あり、重症度の高いタイプでは3度房室ブロックに進行する可能性が高くなります。第2度の房室ブロックが疑われる場合には、24時間心電図検査を行って、重症度の評価を行います。
 第3度は心房と心室の刺激伝道が完全に途絶えてしまっった状態です。心室は補充リズムによって収縮しますが、心拍数が遅いため、息切れや失神の原因となります。この場合は脈拍を維持するためペースメーカー治療が必要となります。心筋梗塞などに伴って一過性に房室ブロックの状態になっている場合は一時的なペースメーカーを使用していますが、持続するブロック状態の場合はペースメーカーの植え込み手術が必要となります。
 また、房室ブロックとは異なるのですが、健康診断などで「脚ブロック」という判定が出ることがあります。これは心室での刺激の伝道障害のことで、それ自体は特別な治療を必要としないですが、背景に心疾患が合併していることもありますので、「要精密検査」という判定の場合には循環器外来で診察を受けて下さい。

平成16年12月9日

 


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