不整脈その6:洞不全症候群
     
 

 「洞不全症候群」は徐脈の原因となる不整脈の一種です。前回取り上げた房室ブロックは心房と心室での刺激の 伝導障害によるものでしたが、洞不全症候群は電気刺激の発生場所である「洞結節」の機能異常、及び その周辺の伝導障害によるものです。心筋症や心筋梗塞などが原因となることもありますが、他に原因のない特発性のものが多く、 加齢とともに頻度が高くなります。房室ブロックと同じく失神の原因となりうる不整脈です。

 T型からV型まで3タイプあり、T型は「洞性徐脈」といって洞結節から規則正しく刺激が発生しているものの、 心拍数が毎分50以下の場合を指します。徐脈により息切れ、倦怠感を認めることがありますが、自覚症状がまったくない 場合も少なくありません。U型は「洞停止」、「洞房ブロック」といって、洞結節から刺激が発生しない、あるいは伝導されない ことにより心拍が停止します。停止している時間が長ければ失神の原因となります。V型は「徐脈頻脈症候群」といって、 T型あるいはU型の徐脈に加えて、心房細動などの脈が速くなる不整脈を合併したものです。

 診断は24時間心電図(ホルター心電図)で行い、自覚症状と心電図所見との関連性を調べます。また、頻脈性不整脈を 合併しているかどうか確認します。診断が確定しない場合にはカテーテルを用いた電気生理学的検査を行うこともあります。

 失神などの症状を伴っている場合には治療が必要です。緊急時には薬剤の静脈注射により心拍数を回復させます。 薬剤により一時的に心拍数を保つことは可能ですが、徐脈が持続して、それによる症状が出現する場合には ペースメーカー治療の適応となります。また、頻脈性の不整脈を合併している場合、頻脈に対する薬物治療などを加えます。

 これまでいくつかの代表的な不整脈について取り上げてきましたが、重症度も様々で治療法も異なります。 不整脈の診断についても、複数の種類の不整脈を合併していることもあり、必ずしも容易ではありません。 気になる症状がある方や、健康診断などで不整脈を指摘された場合には循環器専門医に相談してください。


平成17年1月6日

 


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