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今回は心臓の内側の膜(心内膜)に起こる感染症である感染性心内膜炎についてご説明いたします。
この病気の頻度は多くはありませんが、適切な治療を行わないと心不全などを合併して重篤な状態になります。
心臓弁膜症や先天性心疾患、人工弁手術後の方に起こることが多く、他の部位の感染症に合併する場合や、
抜歯などの歯科処置、消化器や泌尿器の病気に対する手術・処置に引き続いて起こることもあります。
症状としてはこの病気に特徴的なものはなく、発熱、全身倦怠感、関節痛などで、初期の段階では「かぜ」の症状と
似ています。原因のわからない発熱 (「不明熱」) が続く場合に考慮すべき病気の一つです。感染が続いて悪化すると、
次第に心臓の弁が破壊されて心不全症状(息切れ、手足のむくみなど)が現れてきます。また、細菌の塊が心臓から
離れて全身に流れていき、血管が詰まって脳梗塞などを起こすこともあります。
診断はまずこの病気を疑うことが重要であり、特に心臓弁膜症などがある方に原因不明の発熱が認められる場合や、
もともと心臓病のない方に聴診で新たに心雑音が認められた場合などは感染性心内膜炎を疑って検査を行います。
血液検査や心電図検査に加えて、心臓超音波検査で心臓の内部に菌の塊がないか確認し、さらに血液中に細菌が
いないか調べるために血液培養検査を行います。感染性心内膜炎と診断された場合には入院治療が必要となり、
点滴の抗生剤を4週間から6週間使用します。すでに弁の破壊が進行していて心不全を合併している場合は薬に
よる治療だけでは不十分で、外科手術が必要になります。
この病気は予防することが重要であり、先天性心疾患、心臓弁膜症などがある方は、抜歯やインプラントなどの
歯科処置、呼吸器・消化器・泌尿器などの出血を伴う検査・手術を行うときには直前に抗生物質の投与が必要な
場合がありますので、担当医に相談して下さい。また、虫歯や歯周病を放置しておくとリスクが高くなるので、
日頃からの口腔内ケアが大切です。
平成17年3月
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