| 年が明けて、早くも半月以上が過ぎました。クリニックでは年末からインフルエンザの声がポツポツ聞こえていましたが、これからが発症のピークになりそうです。ワクチンの接種有無に関わらず、摂生(外出から帰ったときのうがいと手洗い及び十分な睡眠と栄養)でこの時期を乗り切りましょう。
最近外来で気になる事、それは咳が中々治らないという主訴の子供が多い事です。典型的な症状は、「昼間は元気で遊んでいるのに、布団に入ってさて寝ようとすると咳き込みが始まる。小1時間して治まったと思うと、また明け方ないし起き掛けに咳き込んでしまう」というものです。皆様のご家庭にあてはまるお子様はいらっしゃいますか?
風邪をひいたら安静にして栄養を取る、つまり安静にすると症状は緩和するのが昔からの通例です。しかし、今回の症状はこの逆で、安静にした時に現れるという特徴があります。風邪ウイルスが夜行性である訳がありませんよね。これは、風邪を契機に子供の身体が外的環境に過敏になりすぎるために生じる、一種のアレルギー反応と考えられます。アレルギー性咳嗽とか咳発作などと称する医師もおります。こういう場合は、
鎮咳去痰剤を服用しても、その時には症状が緩和しますが、止めるとすぐ症状が再燃してしまいます。抗アレルギー剤や気管支拡張剤(テオフィリン、β2刺激剤)を併用することで、軽快可能であることが多いのです。
最近は、発作を起こして酸素投与が必要な典型的な喘息患者はむしろ少なく、風邪をひいたりした後や季節の変わり目、運動会で疲れた後などに咳き込みが強くなり、それが月単位で長期化する人が増加している様です。咳が何時から出現しているか?1日のうちで、咳の強弱があるか?など、単に「咳が出る」といっても、問診を十分聴取する事で全貌を醸し出せる場合も少なくありません。高々風邪と簡単に片づけず、家での生活状況の把握が子供の治療の近道になる事を今回は「咳」を例に挙げて説明しました。
<追伸>
咳が長引く子供は喘息に移行しないか?と心配されるご両親が沢山おられます。最近の報告では10年前に比して喘息と診断される子供が2倍以上になったと言われます。しかし、長引く咳に関しては卒業可能と思われます。卒業までにどれだけの日数を要するかは、個人差があります。過敏な身体は薬で完治するまでにはいきません。日常生活で摂生(規則正しい生活、好き嫌いをなくすなど)して、身体を鍛える(言い方を代えると、外的ストレスに対して鈍麻した身体にすべく努力する)事が重要です。
平成15年1月
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