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今回は子供の発熱に際しての対処方で確認したい事項を挙げてみましょう。
坐薬の特徴は、肛門から薬を挿入して直腸の粘膜より溶け出した薬剤を吸収させ、即血液中に入る事です。内服薬は飲んで、胃に到達して消化吸収を経て血液に入ります。つまり、時間がかかります。坐薬は15~30分で効きはじめますが、内服薬は30~60分を要することが多いようです。
直腸から吸収される坐薬は、直腸上部(直腸のうち口に近い方)からは門脈という血管(腸から吸収した栄養もここを通ります)を経由して肝臓に達し、そこから肝静脈、下大静脈、肺を廻って全身へ。直腸下部からは下直腸静脈から肝臓を介さず下大静脈に至るので、肝臓での薬物分解を経ないため、効果も若干同量の内服薬に比して良いのです。乳幼児の場合や嘔吐の強い際には、肛門から確実に挿入できる坐薬の方がお勧めなのは、御理解頂けたでしょうか?
お尻から薬を入れることに抵抗を感じるお母様がいるかも知れません。でも口から肛門までは1本の管であり、出入口の形こそ違いますが医学的にはあまり相違ないものなのですから御心配なく。加えて、解熱剤は38.5℃以上でかつ、子供が熱で辛そうにしていて、熱を下げる事にメリットが見出せる(例えば、水分摂取が進みそうとか、睡眠するきっかけになれるとか)場合に使用する訳ですから、乳幼児の場合は調子が悪い時に内服は難しい可能性の方が高いため、医者は坐薬を処方することが多いのです。
ただし、発熱に気付いたらご両親にして頂きたいことがあります。それは薬の前に「クーリング」です。熱が上昇する夜、室温は現在何度くらいでしょうか?仮に20℃として、子供が40℃に発熱したとしましょう。お風呂のお湯のようには単純ではありませんが、裸にして外気に接すると、20℃の温度差があるので、物理的現象で熱は自然に外気へ逃げ、その結果体温は何度か下降するはず。子供が小さければ小さい程、体に対しての表面積が大きいので、外気と接する面積が広くなり、冷え易いのです。大人は発熱時の対策として、毛布を被って暖めて、汗をかいて云々ということがあります。実際、私もそういう事をしますが(笑)、子供にとってこれは逆効果となることが多く、いけません。前回に述べたように、発熱時の子供達は末梢の循環が悪いため、暖めても汗をすぐにはかけません。汗は末梢循環が保持され毛細血管が十分機能して初めてできることなのです。場合によっては、暖めるだけ熱が溜まり(欝熱)ぐったりしてしまうこともあるのです(保温による逆効果)。
最後に、熱がある際の入浴に関しては、風邪を悪化させるのでダメ等の話しを聞いた事があるかも知れません。生粋の江戸っ子家系であれば、風呂の湯はチンチンに熱くないと、という家もおありでしょう。そういう場合はのぼせて、入浴後調子が悪くなる可能性があるものの、温目のお湯であればさっと垢を落とすくらいの余裕はあると思われます。しかし、湯冷めをして咳を誘発したり、体力を消耗して風邪の治りを遅くしたりする可能性もあり、あくまで適度が重要。それでも乳幼児においては寒い時期には治ってからの方が無難であろうと思われます。
平成15年4月 |