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消火器内科に来院する患者さんの主訴で、最も多いのが腹痛です。腹痛には上腹部痛(胃のあたりの痛み)と下腹部痛とがありますが、下腹部痛と断続的な下血を伴う場合は、大腸の病気を示唆しています。
このような場合に考えられる病気は多数ありますが、毎日の診療では、出現頻度が高いこと、及び放置すると悪化するもの、という二つの視点で、順次疾患を絞り込んでいく作業をします。腹痛と断続的下血と聞いて、まず念頭に浮かぶ疾患は、大腸癌と潰瘍性大腸炎です。
大腸癌は、中年以上に多い病気というイメージが持たれていますが、最近は若い人にも多く、田村クリニックでも、二十代の大腸癌を何人か診断しています。この病気は他の癌とまったく共通で、早期に発見できれば完治しますが、自覚症状が強くなってからでは、開腹手術をしても完治できない危険が大きくなります。
潰瘍性大腸炎は、以前は日本人には少なく、先進国の白人、特にユダヤ人に多いとされていました。しかし最近は、日本人にも多くなり、現在日本全体で十万人近くの患者がいるのではないかと推定されています。この病気は、もともと若年者に多く、先程二十代で腹痛と下血が続けば大腸癌もあり得ると述べましたが、まず潰瘍性大腸炎を疑います。この病気は、大腸の表層の炎症が、肛門に近い直腸から大腸全体に広がっていくのが特徴で、大腸内視鏡で容易に診断できます。
治療は、サラゾピリン、またはペンタサという特別な薬を内服するのが基本で、悪化時には、ステロイドを使用します。また病気の中では例外中の例外ですが、喫煙で良くなり、喫煙で悪化します。そのため通常はヘビースモーカーが禁煙する時に使用されるニコチンパッチが、潰瘍性大腸炎の治療に使用されることがあります。
平成12年12月 |
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