| 介護保険制度がスタートして、四年で一年になります。この一年間で、改善すべき問題点がいろいろと指摘されていますが、今回は田村クリニックから見た介護保険の一年間を振り返ってみたいと思います。
介護保険では、受けられる介護サービスの量が、利用者の障害の程度に応じて、要支援から要介護1から5までの計六段階に振り分けられて決定されます。この振り分け作業を要介護認定と言い、訪問調査員の調査に基づくコンピューター判定をもとに、七人の委員が出席する介護認定審査会で決定されます。私は多摩市の審査会の司会役の一人としてこの作業に携わってきましたが、まずコンピューター判定の信頼が高いとは言えず、審査会で修正されるケースが、多い時で四割を超えてしまいます。何が適正な認定かについて委員によっても考え方の違いがあり、実質的に6ある審査会によって議論の進め方にも差があります。
私が主治医の患者さんで、介護保険が十分役立たなかったのは、病状の進行が早い末期癌の人々です。介護保険は、申請から認定まで一ヶ月かかり、また認定はあくまでも調査時の現状で行うことになっているので、一ヵ月後には病状が悪化することが確実な場合です。それを見込んで、高い認定をする事ができません。ですから、認定結果の通知を受けた時は全く状況が変わってしまっていることがしばしばありました。
また介護保険では、医師、看護婦、ケアマネージャー、ヘルパー、施設等の多くの人々が、一人の利用者にかかわることになるために、各々のサービスの間の連絡と協力が大変重要になります。
しかし実際には、利用者一人一人についての連絡会等開けないのが現状です。主治医もケアマネージャーも、訪問看護婦もヘルパーも、皆、田村クリニックの場合は、比較的うまく連絡が取れていますが、別々の事業者に分かれている場合は、連絡、連携に多くの努力を要します。
平成13年3月
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