| 久しぶりに、私の専門分野である肝臓病の話をしたいと思います。肝臓病というと、血液検査のGOT・GPT・γGTP等が高い状態という知識をお持ちの方が多いと思います。しかし肝臓病の症状については、具体的なイメージが浮かばない人が多いのではないのでしょうか。肝臓病に詳しい人は、体がだるい、全身が痒い、顔や体が黄色になる等の症状をご存知かもしれませんが、実は大部分の肝臓病は、本当に全く自覚症状がないのです。
一般的に病気はなぜ治療しなくてはならないのでしょうか。簡単にいえば、今現在の病気の症状が苦しくて仕方がないからか、今治療しないと将来取り返しがつかない状態になると予想されるからか、あるいはその両方というのが治療を行う理由です。
肝臓病のうち、最も重要な病気が、慢性肝炎です。慢性肝炎にはウイルス性のもの(B型肝炎とC型肝炎)と、非ウイルス性のもの(自己免疫性肝炎とPBC等)があり、ともに自覚症状がないまま肝硬変に移行する危険があります。さらにウイルス性肝炎の場合は、肝臓癌ができて、それが大きくなるまで気づかないという悲劇が起こりかねません。B型肝炎とC型肝炎は自覚症状がないという理由で放置しておいてはいけない、代表的な病気なのです。
ウイルス性肝炎は、健康診断や他の病気の検査で、たまたまGOT、GPTが高いことを指摘され、検査することによって判明することが少なくありません。ただし、ウイルスマーカーが陽性だからといって、すぐに治療を開始すべき状態が否かは、やや専門的な判断になります。B型肝炎またはC型肝炎と言われている人は、定期的に肝臓専門医の診断を受けることをお勧めします。
平成13年4月
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