コレステロール
     
 
 最近、新聞紙上に高脂血症治療の基準や治療薬についての記事が載っているのを散見します。

 高脂血症とは、血中のコレステロールや中性脂肪の値が高いことをいいますが、自覚症状が全くないので、治療を受けていない人も少なくありません。何故コレステロールや中性脂肪が高くてはいけないのかというと、これが動脈硬化の原因になるため、心筋梗塞や、脳梗塞等の重篤な疾患を引き起こすからです。

 従来、コレステロールの理想値は、200以下、220を超えたら治療が必要と言われていました。最近の話題は、この治療開始の値を高血圧や肥満あるいは糖尿病などの危険因子がない人に限って、240としてもよいのではという議論です。

 治療の基準をどこに置くのかは、大規模な治療実績調査に基づいて判断するのですが、このような大規模調査は、日本よりも欧米でよく行われ、その結果は、理想のコレステロール値を160〜180とする、日本の現状からするとやや現実味のないものでした。最近になって、日本人を対象とした調査の結果が出始め、この中で危険因子(高血圧・肥満・糖尿病等)のない人は、240程度までは許容範囲とすべきでは、という話が出てきました。しかしこの正常値の範囲については、考え方が一致しているわけではなく、中には280まで許容範囲とする見解が全国紙に掲載されたりしましたが、これを支持する医師は少ないと思われます。
 
 治療薬についても、セルタ、バイコールという治療薬が発売中止になりました。理由は、欧米で他の治療薬(日本では使用されていないもの)と併用すると、重大な副作用が発生するとの報告があったためで、メーカーが自主的に発売中止を決定したものです。幸いこれに代わる優れた薬剤があるため、今処方を切り替えているところです。

平成13年9月 

 


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