肝硬変
     
 
 肝硬変は、文字通り、肝臓が硬く変化してしまう病気で、このコーナーでもしばしば取り上げる慢性肝炎の終末像です。肝臓の病気の多くは自覚症状が無いため、「沈黙の臓器」と言われていますが、肝硬変もかなり重症にならないと本人も気付かないことがあります。

 肝硬変は比較的症状が軽い代償性肝硬変と、進行して様々な症状が出現する非代償性肝硬変に分類されます。非代償性期になると、腹水が貯留して、蛙のような腹になったり、脳性脳症という精神障害が出現するため、入院しないと治療出来なくなります。しかしそれ以前の代償期でも、食道や胃の上部に静脈癌が出来て、破裂すると大出血を起こす危険があり、胃潰瘍や難治性の胃炎も出来やすいため、内視鏡で定期的に見ておく必要があります。

 肝硬変の合併症のうち、最も危険なものは、肝臓癌です。特に、C型肝炎から肝硬変になった場合は、代償期でも肝臓癌が出来やすく、しかも肝臓癌も、自覚症状が全く無いため、積極的に超音波検査を受けないと、早期発見が出来ません。肝臓癌の治療はここ十年でめざましく進歩し、直径二センチ以下であれば、手術をしなくても、針状の電極を体外から穿入して、直接癌を焼いてしまう治療法が手術に劣らぬ成績をあげています。癌が大きくなると、この治療法が出来なくなり、有効な治療手段を失うことになるため、早期発見が何よりも大切です。

 多摩市でも、誕生日健診の際、節目年齢の人はC型肝炎の検査が出来るようになりました。この検査も、肝臓癌を予防することが究極の目的なのです。つまり、肝硬変になってしまう前に、C型肝炎を発見し、この肝炎を治療してしまうことが、肝臓癌の最大の予防策になるからです。

平成14年4月 

 


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