大腸癌
     
 
 近年日本人の死亡原因の第一位が、脳血管障害から悪性新生物(癌)に変わり、また癌の内訳では、長く不動の一位だった胃癌が二位になり、肺癌が一位、三位、四位に大腸癌と肝臓癌がほぼ同数で続くようになりました。これは時代とともに生活習慣、特に食習慣が変化していることが原因と考えられています。

 大腸癌は、ここ50年間で6〜7倍に増加しました。原因は食事の内容が西洋化して、高脂肪食、低線維食に変化したことが主な原因と言われています。戦前、ハワイに移住した日系米国人の大腸癌発生頻度が白人と変わらず、当時の日本人よりずっと高かったことが、この考えの有力な根拠とされています。癌は言うまでもなく、一次予防(発病の予防)が最も大切です。大腸癌は、その増加の原因がはっきりしているので、肉食に偏りすぎないこと、野菜や穀物を沢山食べることが大切です。また、便秘をしないことも重要と言われています。理由は、高脂肪食を消化する課程で胆汁酸が沢山分泌され、この一部が腸内で発癌物質に変化し、便秘をすると大腸粘膜が長時間この発癌物質にさらされることになるからです。次に大切なことは二次予防(早期発見、早期治療)です。大腸癌は幸い早期発見が可能で、早期治療により完治する可能性が大きな癌です。早期発見のための最初の検査が便潜血検査ニ回法です。多摩市の誕生日健診のメニューに入っていますので、年に一回必ず受けて下さい。便潜血陽性者のうち、約半分は痔核によるものですが、40〜50人に一人の割合で実際に大腸癌が見つかります。

 精密検査は大腸内視鏡で行うことをお勧めします。これは診断力がすぐれているだけではなく、小さなポリープでしたらその場で切除可能です。大腸内視鏡は、当院のようなクリニックでもできますのでくれぐれも便潜血陽性なのに放置したりしないで下さい。

平成14年6月 

 


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