インフルエンザとSARS対策
     
 

   長かった残暑から、急に晩秋のような気候になって体調を崩す人が多かった9月も終わり、 そろそろインフルエンザが気になる季節となりました。今年のインフルエンザ事情で最大の 関心事は、昨冬世界中を震撼させたSARSの再流行の心配です。SARSの症状とインフ ルエンザの症状は見分けがつかないため、日本でSARSが流行すると、インフルエンザ様 症状の患者さんは、同時にSARSの疑いのある患者ということになり、感染症対策が十分 でない一般の病院や診療所では、診察出来なくなるというのが最悪のシナリオです。実際に はそこまで事態は悪化しないのではと考える関係者も多く、私もそう切望していますが、 SARS流行の可能性が否定出来ない以上、備えはしておくべきでしょう。備えと言うのは SARS患者と疑われないために、インフルエンザにかからないようにすることです。

 インフルエンザのワクチン接種は、予防策としてやはり最有力です。ここ数年来、ワクチン 接種の呼び掛けや65歳以上は公費補助の制度ができたため、接種者は一時期より増加しまし たが、ほとんどの人が一回接種でした。田村クリニックでも原則一回接種を行ってきましたが、 昨冬はワクチンを打ったのにインフルエンザになってしまった人が相当数みられました。もと もとワクチンはインフルエンザに罹っても軽く済むのが狙いで、感染しないことを保証するも のではないのですが、それにしてもワクチンの効果が少ないという印象を受けたのも事実です。

 本年は、以前のように原則二回接種を勧める医療機関が増えるのではないかと予想してい ます。二回接種を行う場合、約一ヶ月の間隔を置いて、年内に二回済ませてしまうのが理想 的です。

 日常生活でのインフルエンザ予防策は、うがいと手洗いの励行と、外出時のマスクの着用 です。これは同時にSARSの予防策でもあります。マスクでウィルスの侵入を防止しよう と思うと医療用の特殊なマスクを使用しなくてはなりませんが、一般のマスクでも、咽頭の 乾燥を防ぎ、これが非常に効果があります。冬の乾燥がインフルエンザやSARSの温床な のです。それから体力を温存すること。過労、心労、睡眠不足は全ての感染症の呼び水と なってしまうのです。

平成15年10月

 


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