内科診療所と病院
     
 
 新緑が眩しい季節になりました。今回はいつものテーマから離れて内科診療所と病院との役割分担について話してみます。

 病院は一言でいうと大きくて、医師が多く、検査装置がそろっているため安心できそうです。しかしながら、大きな病院のほうがよりよい医療を提供できるとは限りません。もちろん、入院を必要とする検査や治療では病院でなくてはなりません。病院では、同僚との医学上の議論あるいは臨床研究を通じて、最新の医学知識に接する機会も多いことから、医師の医療レベルを高く維持しやすいと思います。一方で、専門分野を極めるという病院勤務医の本来の目標から、他科の疾患に関して専門外だからという事で、学ぶのを意識的に避けることもあります。また、1人の医師が外来診療、入院患者の診療や検査、さらには研修医の教育など、様々な業務にかかわらざるを得ないため
外来患者のことだけを考えるわけにもいきません。

 診療所の役割として、1つには患者の訴えがおおざっぱに何科に属する疾患なのかを判断し、その上で最も適した対処をすることがあげられます。そのためには、病院勤務医以上に(治療は出来なくても)、疾病に関する幅広い知識が求められます。以前ならともかく、現在では様々な生涯教育の機会やインターネットを通じた専門医との交流も多くあり、学習意欲を持っている限りは、診療所医師であっても研鑚を深めていくことが可能です。また、単に医療の入口の役割ばかりでなく、専門に関しても大学病院の医師に依頼して専門外来を行うことで、病院に劣らない質の高い医療を実践することも十分に可能と思います。

 幸い、多摩地域には多摩南部地域病院をはじめとして、診療所との連携に積極的な病院がいくつもあり、いざというときにも安心です。

平成13年6月

 


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