| 日がたつのはまことに早いもので、あっという間に3月になりました。若い人たちにとっては入学や入社など新しいところへ旅立つ時期ですね。私などはこうした機会は、もはやなくなっているわけで、少々寂しい思いがいたします。
今回は風邪とインフルエンザについてお話しします。インフルエンザは別名、流行性感冒(流感)ともいいます。またインフルエンザというと、普通はインフルエンザウイルス感染を指しますが、細菌性肺炎をおこすインフルエンザ桿菌というものもあり混同しかねません。
さて、このシーズンは例年と比較してインフルエンザが随分と遅れて始まりました。やはりというのか1月下旬以来、猛威をふるっております。幸いにも流行しているウイルス株は事前の予測通りであり、この数年大きな変化がないので予防接種を受けた方、あるいは以前に感染した方なら自然免疫があるため、せいぜい普通感冒の症状で終わっているようです。残念ながら感染してしまった方でも、発症早期に受診されればという条件付ですが、優れた迅速検査キットや抗ウイルス薬があり、的確な診断と治療が可能です。インフルエンザは伝染性が非常に強いウイルスですので家族の一人に発症すると、一家で同じ感染に罹患する可能性が高くなります。そうした方は風邪かなと思ったら、翌日までには受診をされるようおすすめします。
ところで今でも、典型的な感冒症状なのに抗生物質を希望される方が後をたちません。全くの間違いと言い切れないところが悩ましいところですが、少なくとも感冒症状の8割以上は、さまざまなウイルスの気道感染が原因であり抗生物質は無効です。もちろんウイルス感染を契機として、2次的に細菌感染が加わって肺炎を併発することもありますので、厳密な診察の後、医師とよく相談の上で抗生物質の処方を受けてください。安易な抗生物質処方は無駄な医療費増加や、まれには薬害につながり、また薬が効かない耐性菌を誘導させることにもなりかねません。ではまた。
平成14年3月
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