| 今年は変な天候が続きます。桜の早咲きに続いて季節外れの暑さです。今年の夏はどうなることかと思いやられます。
さて、今回は高脂血症の話を致します。検診の血液検査で無症状のまま指摘を受ける方が多いのではないでしょうか。ここがそもそも他の病気と大きく違うところです。高脂血症は無症状のまま全身の血管を蝕み、動脈硬化を加速させます。結果的に動脈の狭窄や閉塞を引き起こし狭心症や脳梗塞を引き起こします。必ずそうした病気につながるわけではなく、どの時点から薬物治療を始めるのかが常に問題になります。説明のしやすいコレステロールに限って話します。
つい数年前まではコレステロール値が220以上を治療対象としていたのが最近、240以上に修正されました。こうした基準はどこから出てきたのでしょうか。わからない方が多いはずです。米国ではもうすこし科学的な表現をしております。対象者の年齢、喫煙、血圧などの危険因子とコレステロール値を組み合わせて危険率を算出するのです。例えば年齢が55歳で総コレステロールが250、HDLコレステロールが39、高血圧有、糖尿病有、喫煙なしの男性では今後10年以内に心臓発作を起こす率が31%と出てきます。もちろん、これは米国人のデータから算出されたもので我々にそのままあてはまるわけではありません。検査結果だけから無闇に不安感をあおるのではなく、こうした予測から各個人がどのような治療を選択するのか、その手助けをするのが医療機関の役割と思います。
本文とはまったく関連がありませんが最近、『パルモア病院日記』(新潮文庫)という本を読み、ぜひ皆様にご紹介したくなりました。内容に触れる余裕はありませんのでただご一読を、とお勧めしておきます。ではまた。
平成14年5月
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