| ワールドカップサッカーに熱中しております。日本チームは前回の仏大会ではただ参加しただけという格好でしたが、この4年の間に目を見張る成長を遂げ、我々を含め世界中を驚かせてくれました。高い到達目標を設定し、そこに向かって着実に努力を重ねるということが、いかに重要かを示す例です。心したいと思います。
さて、今回のテーマは漢方薬です。僕は西洋医学一辺倒で学んでまいりましたので、漢方薬の経験は田村クリニックにて仕事をするようになったこの数年にすぎません。不幸なことに大学病院に在職しているときは、漢方を学ぶ必要性を認識しておりませんでした。
しかしながら毎日外来患者と接し、治療の最初から最後までかかわるようになった現在、そうはいきません。どういうことでしょうか。患者が訴える症状は実にさまざまです。西洋医学で説明できないことも多いのが実際です。総合病院の内科では、循環器専門医の看板で診察しておりましたので、自分の専門外と思われる症状は他の内科医あるいは他科にまかせれば済んだ訳です。ところがクリニックではそうはいきません。
また検査で異常がつかまらなくとも、患者が症状を訴える限りは何かが異常なのですから対処法を探さなくては、と考えるようにもなりました。更に西洋医学で解決できない症状でも、漢方ならうまく行くことが稀ならずあることが分かってきました。
もちろん西洋医学とはまるっきり違う医学体系ですから、診察法も病状の表現方法も違い、とっつきにくさや胡散臭さを感じることもあります。証、陰陽、虚実などといわれてもよくわからなかったのが正直な話です。
しかしながら長い歴史の中で磨かれてきた診断方法と処方の決め方を自分にとって新しいものとして素直に受け入れ、目の前の患者の治療に生かすことでなるほど見事に治っていくわけですから、頑なな心で自らの進歩を閉ざさないようにしたいと思います。ではまた。
平成14年7月
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