| 秋になりました。暑いながらも過ごし易くなってまいりました。例年8月は夏休みで東京を脱出する人が多いこと、風邪の流行が少ないことから、来院患者数が少ない時期であり冬場に比べると半減することが普通です。今年は旧盆の頃にだけは減りましたが扁桃炎や胃腸炎を起こす方は多く、平均すると予想以上の来院数でした。近隣のクリニックが夏休みで診療を休んでいたせいか初めての方も多くいらしたようです。
さて、先回の桔梗湯に引き続いて漢方薬の話をしたいと思います。まずは五苓散です。五苓散は吐き気止め、下痢止めの胃腸薬です。夏風邪で気持ち悪さや下痢便を起こしたときに一包を服用するだけですぐに症状がとれることが多いようです。五苓散は単純な胃腸薬ではなく利尿効果をもち、まぶたや手指のむくみを取り除き、口の渇きにも効果的です。五苓散に消化薬を加えた胃苓湯という薬もあり、暑気あたりでお腹の調子が悪いときにはぜひ、試されてはと思います。
もうひとつ、おなじく胃腸薬の桂枝加芍薬湯を紹介しておきましょう。風邪による胃腸薬で、きりきりとした腹痛や下痢をおこしたときに使います。また過敏性腸症候群という、ストレス性の下痢・腹痛にもよく効きます。過敏性腸症候群の治療薬は漢方薬、西洋薬さまざまありますが印象では7割方の患者は桂枝加芍薬湯だけで治療できるようです。
漢方薬の大きな特徴をまとめとして書いておきます。漢方薬の考え方の基本は患者が本来の正常な姿から外れていることを病気ととらえ、症状そのものを相手に処方するわけではないということです。したがって同じ症状でも患者の証によって使う薬は違います。これまで話してきたように僕は漢方薬の勉強を始めたばかりですが自身が理解し易い、患者への説明もし易い薬から始めて患者と相談しつつ、効果をお伺いしながら少しずつ処方のレパートリーを増やしている段階です。ではまた。
平成14年9月
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