身を守るということ
     
 
 秋になりました。自転車に乗ってあちらこちらと出かけても汗ばむこともなく、清々しい天候です。

 ニュースがあります。この11月から田村クリニックがすぐ近くのスエヒロ跡に移りました。これまでをご存知の方は広さに驚かれるでしょう。もう一つ、新たに小児科専門医の中村医師を仲間に加え小児科外来を始めました。どうぞよろしくお願いします。

 さて、今回のテーマですが漠然と“身を守る”と題しました。生活のいろいろな局面で自らが身を守る、ということがあるはずです。患者の立場で言えば薬の害を避ける為に無用な処方を受けないこと、薬アレルギーの既往があれば申告することなどです。処方を受ける場合には効能と副作用について確認できたらいっそうよいと思います。本来、薬は身を守るために用いるわけですから目的にかなった処方でなくてはなりません。もちろん薬害を不必要に怖がって必要な薬を避けてしまっては逆効果です。

 最近、仰天したことがあります。インフルエンザ脳症という、主に小児のインフルエンザ感染に合併するおそろしい病気があるのですが、いわく“この脳症の原因は解熱薬の薬害とわかっているのに効果が不明なインフルエンザワクチン予防接種は受けないほうがよい”などとのたまう医師がいるらしいのです。本気ならまぬけを通り越して危険な医者です。

 インフルエンザ感染時にある種の解熱薬を用いると脳症を起こしやすいのは周知の事実で、数年前からは発熱時の対処として脳症発症頻度に無関係とされるアセトアミノフェンしか用いないことになっております。また、この10月始めの時点で解熱薬を用いることもなくインフルエンザ感染後の脳症であっという間に死亡した症例が既に2例も報告されております。さきほどの医師はどのような反論をするのでしょうか。私どもはこうしたインフルエンザ感染をなるだけふせぐために予防接種は欠かせないと考える立場にいるものです。ではまた。

平成14年11月  

 


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