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連載記事山口医師

ブドウ糖負荷検査とは?


糖尿病かどうか確実に診断をするための検査です。朝の食事を抜いて空腹でまず採血し、その後にブドウ糖のジュースを飲み(ブドウ糖負荷)、30分後・60分後・120分後に採血するだけの簡単な検査です。ブドウ糖負荷120分後の血糖値が200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。



どんな場合にブドウ糖負荷検査が必要?


糖尿病では、すい臓の機能がまだ保たれている場合には少しの治療でよくなりますが、反対に進行してからでは沢山のお薬が必要となり治療が難しくなります。そのため早期診断・早期治療が大切です。 わが国には糖尿病診断基準というものがあり、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の高値で糖尿病と診断されますが、軽度の異常で確定診断できない場合があります。この様な場合にブドウ糖負荷検査が行われています。 また、検診や人間ドックでは通常空腹で採血されるため、食後だけ血糖が高くなるタイプの糖尿病を見逃してしまう可能性があります。空腹時血糖値が100mg/dl〜109mg/dlの「正常高値」の人はブドウ糖負荷検査を受けていただきたいと思います。メタボリックシンドローム(内臓肥満症)の人にもお勧めします。



ブドウ糖負荷検査でわかるその他のこと


ブドウ糖負荷検査では、血糖値だけでなくインスリンを同時に測定することで、血糖上昇に対するすい臓のインスリン分泌反応がわかります。糖尿病が疑わしい人ではインスリン分泌が低下していることが多いですが、反対に過剰に分泌されている人もおられます。この違いによって、食事・運動療法などの生活習慣改善を強化すべきか、薬物療法を積極的に進めていくべきかなど、その人にあった対策を考える上で役立ちます。 もちろんブドウ糖負荷検査で正常の場合、しばらくの間はすい臓が元気にインスリンを出してくれるので、糖尿病をそれほど恐れる必要はありません。自信をもって現在の健康的な生活習慣を続けましょう。



2012.04 山口 純


糖尿病についての検診では、尿糖・血糖値・HbA1cが測定されます。


尿糖:血糖値が高くなると尿糖が陽性となることから、間接的に高血糖がわかる検査です。ただし個人差が大きいため、尿糖のみで糖尿病かどうかの確定診断はできません。



血糖値:空腹時血糖値の正常は110mg/dl未満です。126mg/dl以上の場合、糖尿病の可能性が非常に高くなります。110〜125mg/dlが境界ですが、100〜109mg/dlの「正常高値」の場合でも精密検査で糖尿病が見つかることがあります。特にメタボ(内臓脂肪型肥満、ビヤ樽体型)の場合は要注意です。



HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去2ヶ月間ぐらいの血糖値の平均が反映される検査で、高血糖が長期間続いている場合に高値となります。糖尿病の診断に用いられるだけでなく、治療中の方の血糖コントロール状況の指標として用いられます。



HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去2ヶ月間ぐらいの血糖値の平均が反映される検査で、高血糖が長期間続いている場合に高値となります。糖尿病の診断に用いられるだけでなく、治療中の方の血糖コントロール状況の指標として用いられます。



糖尿病では早期発見・早期治療が重要です
糖尿病の患者さんの中には、「まだ大丈夫」「糖尿病の気がある」などと言われ安易に放置されていたり、自己流の食事療法や運動療法で悪化させてしまい、進行した糖尿病となってから受診されるがおられます。境界型や発症早期であれば、少しの治療で改善する事が多いのに比べ、すい臓の機能が低下してからでは治療効果が乏しく、合併症が進んでしまってからではさらに大変です。安易に放置せず、治療のチャンスを逃さないことが重要です。



ブドウ糖負荷検査のススメ
糖尿病が疑われたら、迷わずブドウ糖負荷検査を受けてください。ブドウ糖を飲んで2時間後に採血するだけの簡単な検査です。ブドウ糖負荷検査を積極的に行っている点において、わが国は糖尿病診療の先進国です。



2012.03 山口 純


2型糖尿病は、不適切な食事によってすい臓に負担をかけ続けたり、肥満して内臓脂肪がたまってくると発症し易くなります。予防のためにはどのような食事がよいのでしょうか?

炭水化物(糖質)は食後の血糖上昇を意識して食べる

ご飯・パン・麺などの主食、果物やお菓子などの甘いものは炭水化物を多く含み、消化されるとすぐに血糖(ブドウ糖)になります。血糖は身体活動するための重要なエネルギー源ですが、一度にたくさんの炭水化物を食べると食後の血糖が急上昇し、インスリンホルモンを分泌しているすい臓に負担がかかります。若くて元気なすい臓でしたら無理が利きますが、長期間続くと疲れてしまいインスリンの分泌がだんだん悪くなってきます。食後の血糖をできるだけ急上昇させない食事がすい臓にやさしく、糖尿病予防につながります。

そのためには、炭水化物の量を控えめにし、ゆっくりと良く噛んで食べるようにします。野菜やきのこなどの食物繊維を先に食べるたり、色々な種類の食品を少しずつ食べることも有効です。 ダイエットのために食事を簡単にするのは問題があります。おにぎりだけ、うどんだけなど、ほとんど主食のみ食事としたり、菓子パンや果物を食事の代わりにしたりすると食後高血糖を招きやすく、腹持ちが悪いので過食となり易いので要注意です。なるべく1日3回の食事を均等に摂るようにし、間食、まとめ食いを避けます。

あぶら(脂質)を減らして肥満を予防

 体重は摂取エネルギー量と消費エネルギー量の差で決まります。たくさん運動して脂肪を燃焼させても、その後の食事のカロリーが多ければ体重が増えます。  脂質は同じ重さの炭水化物と比べて約2倍のカロリーがあるので控えめにします。 肉・魚貝類・大豆などはたんぱく質を多く含み、筋肉・骨・血液など丈夫な体を作ります。また、たんぱく質は食後の血糖上昇が穏やかなので、すい臓にやさしく好都合です。ただし素材や調理法に気をつけないとカロリーオーバーとなります。肉や魚は脂身の少ないものを選び、調理法では油をなるべく控えます。から揚げやてんぷら、フライなどはたまに食べるぐらいにしましょう。


2012.02 山口 純


2型糖尿病については以下の事が判っています

  1. 1. 日本人は糖尿病になりやすい遺伝的体質を持っている。
  2. 2. 食事中の動物性脂肪の占める割合の増加によって糖尿病は増えている。
  3. 3. 運動量が少ないと発症率が増える。
  4. 4. 肥満の程度が大きくなるほど発症率が増える。
  5. 5. 最近20年で、患者数が急激に増加している。

糖尿病の予防を考えたとき、遺伝は変えられませんが生活習慣は修正可能です。


生活習慣が糖尿病の原因となる理由とは?

  1. 1. 食べ過ぎが続くとすい臓に負担がかかり、インスリンの分泌が徐々に弱まってくる。
  2. 2. 内臓脂肪が多くなるとインスリンの働きが邪魔され、すい臓の負担がさらに増える。

糖尿病が発症した時点ですい臓の機能はすでに半分に減っているといわれています。それゆえ予防と早期発見が大切なのです。


糖尿病の予防するための方法とは?

  1. 1. 職場や地域の検診をこまめに受けて早期発見に努める。
  2. 2. 油を控える。外食はカロリーや塩分が多いのでなるべく控える。
  3. 3. なるべく歩く、運動する。
  4. 4. 旬の野菜を多く摂る。アルコールと間食は控える。遅い夕食のときは少量にする。

この様な生活習慣の改善は、糖尿病だけでなく癌の予防にもなります。まさに一石二鳥です。


できる事から始めましょう!

多忙でストレスが多い我々現代人にとって生活習慣を変えるのはなかなか大変なことです。またその方法は人によって異なります。例えばおやつを控えて散歩するなど、実行可能なことから始めましょう。



2012.01 山口 純


はじめまして。これから数回にわたり、糖尿病について皆様の役に立つ情報を提供したいと考えております。どうぞよろしくお願いします。


どんな検査で糖尿病と診断されますか?
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度の事で、血液100ml中にブドウ糖が何g含まれているか(単位はmg/dl)で表されます。糖尿病はこの血糖値が持続的に高くなる病気で、1日のどの時間帯であっても血糖値が200mg/dl以上、あるいは朝食前の血糖値が126mg/dl以上が、2回確認されると糖尿病と診断されます。血糖値は食べたもので変わりますが、糖尿病でなければこの範囲を超えることはありません。また、血液検査でHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という検査が1〜2ヶ月間の血糖値の平均を表すので、糖尿病の診断によく利用されます。


血糖値はすい臓が調節しています
すい臓は食べ物を消化する酵素を含んだ膵液(すいえき)を分泌しているだけでなく、インスリンやグルカゴンなどの血糖値を調節するホルモンを分泌しています。すい臓は、食後にインスリンをググッと勢い良く分泌して血糖値の上昇をおさえ、寝ている間もジワーッと持続的に分泌して血糖値を一定に保ちます。そのため、血糖値は1日を通じ70〜130mg/dlの狭い範囲に調節されています。インスリンは血糖を下げるたった一つのホルモンなので、これがうまく働かないのが糖尿病です。


どうして糖尿病になるの?
日本人では糖尿病の90%以上が2型糖尿病というタイプです。このタイプは、食べ過ぎですい臓に負担をかけ続けているとインスリンが徐々に減り、また運動不足により内臓脂肪がたまってくると、ジワジワ血糖値が上がってきて糖尿病が発症します。さらに、われわれ日本人は、すい臓から分泌されるインスリン量がもともと少なく、また内臓脂肪をため込みやすい体質を持っているため2型糖尿病になりやすいと言われています。多忙などで食生活が乱れ、運動不足の現代日本人は、どんな方でもこのタイプの糖尿病になる可能性があると言っても過言ではありません。

次回は、糖尿病を予防する方法をご紹介します。


2011.12 山口 純




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